2010年 04月 25日
富士市製紙業と柿田川湧水見学 |
暮らしの中の科学講座
住み心地を科学する
第2回4月21日(木)
講師:東京大学名誉教授 東 昭 先生
行 程 : 集合:たまプラーザ駅(8;00)~(東名高速)~丸富製紙富士根工場(10:30~12:00)~ 富士市博物館(13:00~14:30)~柿田川湧水(15:30~16:00)~(東名高速)
~たまプラーザ駅(17:15)解散
2010年度前期の「科学」のテーマは、「住み心地を科学する」。一言で云えば,環境がキーワードになる。その前期の講座開始早々、静岡県富士市、三島市方面へのバスハイクが行われた。今回のキーワードは、「水」となる。大量の水を利用する製紙工場、そして多くの湧水がわき出す柿田川への見学。
「水」がキーワードだった為だろうか一日雨が降る中での見学となった。
1、丸富製紙 富士根工場
丸富製紙(株)は、富士市を中心に5工場を持ち、そのうち牛乳パックを再生し、トイレットペーパーなどを生産する富士根
工場を見学。工場長より、会社や工場概要の紹介を受ける。特に、牛乳パックの再生を国内で初めて実用化した工場であり、工場からの廃棄物ゼロに取り組む環境を配慮した工場との事。
古紙は、地球釜ともいう「ダイジェスター」、ミルクカートン(牛乳パック)は、「パルパー」により、高温で溶かし、再生用の繊維質を抽出。
溶解され不純物が取り除かれた後、抄紙機によって、紙として出てくる。富士根工場でのトイレット・ペーパーの生産量は、1,800~1,900トン/月と、生産量としては、国内トップクラスだそうだ。トイレット・ペーパーとして出てきたものを、その後の工程で、我々が店頭で見る形へと切断、パック詰め、箱詰めなどの作業が自動化されたラインを流れる。
牛乳パックには、防水用のポリエチレンが入っていて、これを取り除いた後の廃ポリエチレンの廃棄処分についても、焼却炉で回収し、製鉄会社などで再利用されているという。更に 水処理や排煙など環境問題を意識した工場を目指している。
廃ポリエチレンの高熱処理場
湿式脱硫装置の煙突
右側が、高熱処理された廃ポリエチレン
2、富士市博物館、民俗資料館
富士市の歴史や主産業である紙にまつわる展示がされている。今回は、特別展示として、「富士山縁起の世界」という事で、富士山とかぐや姫(赫夜姫)、愛鷹などに関する古文書や絵巻物などの展示も行われていた。
(雨が降る中、博物館のご厚意で、博物館内会議室をお借りし、昼食をとる)
博物館の近くに「歴史民俗資料館」がある。木造の立派な建屋であり、室内の天井やはりなど立派なものである。展示物には、昔懐かしい農具や胸までも浸かった田植え(湿田の多い所だったそうだ)、の模様などを知る事が出来た。又、博物館と歴史民俗資料館の間には、古民家や明治・大正時代の洋館などが建ち並んでいて、生田の民家園のような感じでもある。
3、柿田川湧水
柿田川は、富士山周辺で降った雨水や雪解け水が地面にしみこみ、地下水となって湧き出して出来た川で、狩野川に合流している。富士山全体での地下水の量は、一日約450万立方mといわれ、その2割に相当する約100万立方mが、柿田川に湧き出しているという。
勢いよく湧き出している地下水には、井戸のような囲いがしてある。
湧き出た地下水が、大きな流れになって下っていく。突然、大きな川が出現するような不思議な感じでもある。
しかし、この湧水の直ぐ傍には交通量の多い国道1号線と商業地域が広がっていて、湧水の地域との不自然な景観が並ぶ。
自然と人間生活の場の調和を如何にすべきかの課題を投げかけているようでもある。
住み心地を科学する
第2回4月21日(木)
講師:東京大学名誉教授 東 昭 先生
行 程 : 集合:たまプラーザ駅(8;00)~(東名高速)~丸富製紙富士根工場(10:30~12:00)~ 富士市博物館(13:00~14:30)~柿田川湧水(15:30~16:00)~(東名高速)
~たまプラーザ駅(17:15)解散
2010年度前期の「科学」のテーマは、「住み心地を科学する」。一言で云えば,環境がキーワードになる。その前期の講座開始早々、静岡県富士市、三島市方面へのバスハイクが行われた。今回のキーワードは、「水」となる。大量の水を利用する製紙工場、そして多くの湧水がわき出す柿田川への見学。
「水」がキーワードだった為だろうか一日雨が降る中での見学となった。
1、丸富製紙 富士根工場
丸富製紙(株)は、富士市を中心に5工場を持ち、そのうち牛乳パックを再生し、トイレットペーパーなどを生産する富士根
工場を見学。工場長より、会社や工場概要の紹介を受ける。特に、牛乳パックの再生を国内で初めて実用化した工場であり、工場からの廃棄物ゼロに取り組む環境を配慮した工場との事。
古紙は、地球釜ともいう「ダイジェスター」、ミルクカートン(牛乳パック)は、「パルパー」により、高温で溶かし、再生用の繊維質を抽出。
溶解され不純物が取り除かれた後、抄紙機によって、紙として出てくる。富士根工場でのトイレット・ペーパーの生産量は、1,800~1,900トン/月と、生産量としては、国内トップクラスだそうだ。トイレット・ペーパーとして出てきたものを、その後の工程で、我々が店頭で見る形へと切断、パック詰め、箱詰めなどの作業が自動化されたラインを流れる。
牛乳パックには、防水用のポリエチレンが入っていて、これを取り除いた後の廃ポリエチレンの廃棄処分についても、焼却炉で回収し、製鉄会社などで再利用されているという。更に 水処理や排煙など環境問題を意識した工場を目指している。
廃ポリエチレンの高熱処理場
湿式脱硫装置の煙突
右側が、高熱処理された廃ポリエチレン
2、富士市博物館、民俗資料館
富士市の歴史や主産業である紙にまつわる展示がされている。今回は、特別展示として、「富士山縁起の世界」という事で、富士山とかぐや姫(赫夜姫)、愛鷹などに関する古文書や絵巻物などの展示も行われていた。
(雨が降る中、博物館のご厚意で、博物館内会議室をお借りし、昼食をとる)
博物館の近くに「歴史民俗資料館」がある。木造の立派な建屋であり、室内の天井やはりなど立派なものである。展示物には、昔懐かしい農具や胸までも浸かった田植え(湿田の多い所だったそうだ)、の模様などを知る事が出来た。又、博物館と歴史民俗資料館の間には、古民家や明治・大正時代の洋館などが建ち並んでいて、生田の民家園のような感じでもある。
3、柿田川湧水
柿田川は、富士山周辺で降った雨水や雪解け水が地面にしみこみ、地下水となって湧き出して出来た川で、狩野川に合流している。富士山全体での地下水の量は、一日約450万立方mといわれ、その2割に相当する約100万立方mが、柿田川に湧き出しているという。
勢いよく湧き出している地下水には、井戸のような囲いがしてある。
湧き出た地下水が、大きな流れになって下っていく。突然、大きな川が出現するような不思議な感じでもある。
しかし、この湧水の直ぐ傍には交通量の多い国道1号線と商業地域が広がっていて、湧水の地域との不自然な景観が並ぶ。
自然と人間生活の場の調和を如何にすべきかの課題を投げかけているようでもある。
by kawasaki-ac
| 2010-04-25 00:00
| 講座風景 暮らしの中の科学