2010年 11月 09日
富士山五合目の散策 |
みどり学Ⅰ講座
第3回10月19日(火)
「コケモモの実が赤いジュウタンになる富士山奥庭/小御嶽神社と富士山大室山の巨大ブナ」
講師:樹木医・森林インストラクター 石井 誠治 先生
毎期 バスハイクでの近郊に出かけている。2010年後期は、富士山五合目、大室山が目的地。当日は、必ずしも好天ではなかったが、午前8時南武線谷保駅に集合・出発し、中央高速、河口湖から富士スバルラインを行く。麓では雲が垂れ込め、富士山の勇姿を望めないが、高度を増す度に雲間を通り抜け、見晴らしがきくようになる。しかし、富士山の山頂は 雲に覆われて望めなかったが、近辺の紅葉・黄葉が眼を楽しませてくれる。
大沢駐車場
富士スバルラインの終点前に大沢駐車場で休憩。背後には、紅葉した木々が迎え、時折流れてくる霧がその紅葉を微妙に隠す姿も美しい。
今回も案内してくれたのが、樹木医であり当講座の講師でもある 石井誠治先生。何時ものように ジョークを交えた話で、受講生も興味深く話を聞いている。
富士山五合目に到着。2305mの高地、肌寒い。この時期でも観光客も多い。中国語も聞こえる。周囲は、淡い霧に包まれている。
小御嶽神社
五合目に鎮座する小御嶽神社。磐長姫命(木花咲耶姫の姉)を祭っている。小御岳は現在の富士山が形成される以前の山であり、山岳信仰の霊地として今より千年以前の承平七年に創建されたものと伝わる。また、五合目にあるお宮は、以前は鳴沢村にある魔王天神社にあった古太郎坊(こたろうぼう)という小祠(しょうし)を、遷座し小御岳権現と称したものが元になっている。
小御嶽神社の裏に廻ると展望台がある。そこから富士山を眺められるのだが、あいにく雲に覆われてしまっている。展望台の眼下も視界がきかないが、間近にナナカマドの紅葉やカラマツの黄葉が迫ってくる。
更に、神社の裏手に行くと、極端に人も少ないものの 小さな林のようになっていて、木々の間から垣間見る富士山の山腹がなだらかに見える。
奥庭
あまりに景色がいいので天狗が遊んだ庭という由来から天狗の庭(奥庭)といわれ、今でも天狗が山頂から岩を小脇に抱えて持ち帰り天に昇る時の台石としていたという「天狗岩」を祭っており、この岩を信仰すると道の守護猛獣怪奇の無難を願い男女の仲が開け夫婦円満になると里人は伝えている。
奥庭地域は大小の噴火口が多くみられますが、この奥庭は富士山最后の寄生火山跡地として代表的なものです。風雪に耐えた樹齢700年以上のカラマツ・コメヅカ・シラビソ等が矮正化して自然庭園化をなおしており展望のきく一地点に立つと植物群落の移り変わりのすべての過程が一望できる。
五合目辺りは、丁度 森林限界地域でもあり、種々な植生を見る事が出来る。
最初に自生したカラマツだそうで、厳しい風雨に耐えてきた結果、このように枝が曲がって生育したという。その後のカラマツ群は、こうした初期のカラマツに風雨から守られ真っ直ぐ成長していった。
天狗岩に天狗のお面が
奥庭の周遊できる道が整備されている。四季折々楽しめそうな散策路である。
コケモモの実、盛りは過ぎたようだ。昼食した奥庭荘で、コケモモのジュースを飲む。
富士風穴
富士山麓の風穴は富士火山の各所から盛んに押し出した溶岩の内部がガス体を含み、外部から冷めて収縮する際、内部はまだ高熱であるため、外部からの圧力によって外皮の弱い部分が破れ、ガスや溶岩を吹き出した後の空洞である。原始林の途中に、地面がパックリと言う感じで大きな穴が開いている。穴から上を見上げると樹林が覆い被さって見える。
富士風穴へ行くまで、樹海の中を進む。整備された道を外れ 1歩樹海の中に入ってしまえば、とても元の道に戻れない。樹海の神秘さと奥深さを感じる。
多くの受講生が、風穴の下まで下りる。下はちょっとした大部屋のような感じで、見上げれば樹林が覆い被さっているようだ。
それぞれの端に 洞窟につながる入口が見える。たまに洞窟探検の人と会うこともあるそうだ。
大室山 ブナ林
大室山(おおむろやま)は、富士山の北西麓にある標高1468mの山。富士山が持つ多くの側火山のひとつで、なだらかな富士山の麓にあるため外見は独立峰に見える。頂上部には火口の窪みがある。青木ヶ原樹海の南側に位置し、周辺には本栖風穴、大室風穴、神座風穴などの風穴が点在する。富士風穴の入口を通りすぎ、しばらく行くと大室山の’ブナの森’に着く。現在の樹海は、宝永(1707年)の大噴火により、それまで植生していた樹木が焼き払われ、その後常緑樹を中心とした樹海となったそうだ。しかし、ここ大室山は、小高い所にあったことから溶岩流が襲うことなく、昔の富士山麓の姿―落葉樹の森―を残し、ブナの大木とミズナラの大木がある。特にミズナラは大きく、人が半分隠れるほどの大きな板根が張り出している。
ミズナラの大木で、国内でも2位くらいの大きさだろうという。
こうして、バスハイクが終わった。
第3回10月19日(火)
「コケモモの実が赤いジュウタンになる富士山奥庭/小御嶽神社と富士山大室山の巨大ブナ」
講師:樹木医・森林インストラクター 石井 誠治 先生
毎期 バスハイクでの近郊に出かけている。2010年後期は、富士山五合目、大室山が目的地。当日は、必ずしも好天ではなかったが、午前8時南武線谷保駅に集合・出発し、中央高速、河口湖から富士スバルラインを行く。麓では雲が垂れ込め、富士山の勇姿を望めないが、高度を増す度に雲間を通り抜け、見晴らしがきくようになる。しかし、富士山の山頂は 雲に覆われて望めなかったが、近辺の紅葉・黄葉が眼を楽しませてくれる。
大沢駐車場
富士スバルラインの終点前に大沢駐車場で休憩。背後には、紅葉した木々が迎え、時折流れてくる霧がその紅葉を微妙に隠す姿も美しい。
今回も案内してくれたのが、樹木医であり当講座の講師でもある 石井誠治先生。何時ものように ジョークを交えた話で、受講生も興味深く話を聞いている。
富士山五合目に到着。2305mの高地、肌寒い。この時期でも観光客も多い。中国語も聞こえる。周囲は、淡い霧に包まれている。
富士山のミニ史
約10万年前 小御岳火山と愛鷹山の火山活動が活発化
約10万年前から約5000年前まで、古富士火山
小御岳火山が休止後、古富士火山が活発となり、標高3000mに達する山体を形成
約5000年前 新富士火山活動が活性し、現在に至っている。
約10万年前 小御岳火山と愛鷹山の火山活動が活発化
約10万年前から約5000年前まで、古富士火山
小御岳火山が休止後、古富士火山が活発となり、標高3000mに達する山体を形成
約5000年前 新富士火山活動が活性し、現在に至っている。
小御嶽神社
五合目に鎮座する小御嶽神社。磐長姫命(木花咲耶姫の姉)を祭っている。小御岳は現在の富士山が形成される以前の山であり、山岳信仰の霊地として今より千年以前の承平七年に創建されたものと伝わる。また、五合目にあるお宮は、以前は鳴沢村にある魔王天神社にあった古太郎坊(こたろうぼう)という小祠(しょうし)を、遷座し小御岳権現と称したものが元になっている。
小御嶽神社の裏に廻ると展望台がある。そこから富士山を眺められるのだが、あいにく雲に覆われてしまっている。展望台の眼下も視界がきかないが、間近にナナカマドの紅葉やカラマツの黄葉が迫ってくる。
更に、神社の裏手に行くと、極端に人も少ないものの 小さな林のようになっていて、木々の間から垣間見る富士山の山腹がなだらかに見える。
奥庭
あまりに景色がいいので天狗が遊んだ庭という由来から天狗の庭(奥庭)といわれ、今でも天狗が山頂から岩を小脇に抱えて持ち帰り天に昇る時の台石としていたという「天狗岩」を祭っており、この岩を信仰すると道の守護猛獣怪奇の無難を願い男女の仲が開け夫婦円満になると里人は伝えている。
奥庭地域は大小の噴火口が多くみられますが、この奥庭は富士山最后の寄生火山跡地として代表的なものです。風雪に耐えた樹齢700年以上のカラマツ・コメヅカ・シラビソ等が矮正化して自然庭園化をなおしており展望のきく一地点に立つと植物群落の移り変わりのすべての過程が一望できる。
五合目辺りは、丁度 森林限界地域でもあり、種々な植生を見る事が出来る。
最初に自生したカラマツだそうで、厳しい風雨に耐えてきた結果、このように枝が曲がって生育したという。その後のカラマツ群は、こうした初期のカラマツに風雨から守られ真っ直ぐ成長していった。
天狗岩に天狗のお面が
奥庭の周遊できる道が整備されている。四季折々楽しめそうな散策路である。
コケモモの実、盛りは過ぎたようだ。昼食した奥庭荘で、コケモモのジュースを飲む。
富士風穴
富士山麓の風穴は富士火山の各所から盛んに押し出した溶岩の内部がガス体を含み、外部から冷めて収縮する際、内部はまだ高熱であるため、外部からの圧力によって外皮の弱い部分が破れ、ガスや溶岩を吹き出した後の空洞である。原始林の途中に、地面がパックリと言う感じで大きな穴が開いている。穴から上を見上げると樹林が覆い被さって見える。
富士風穴へ行くまで、樹海の中を進む。整備された道を外れ 1歩樹海の中に入ってしまえば、とても元の道に戻れない。樹海の神秘さと奥深さを感じる。
多くの受講生が、風穴の下まで下りる。下はちょっとした大部屋のような感じで、見上げれば樹林が覆い被さっているようだ。
それぞれの端に 洞窟につながる入口が見える。たまに洞窟探検の人と会うこともあるそうだ。
大室山 ブナ林
大室山(おおむろやま)は、富士山の北西麓にある標高1468mの山。富士山が持つ多くの側火山のひとつで、なだらかな富士山の麓にあるため外見は独立峰に見える。頂上部には火口の窪みがある。青木ヶ原樹海の南側に位置し、周辺には本栖風穴、大室風穴、神座風穴などの風穴が点在する。富士風穴の入口を通りすぎ、しばらく行くと大室山の’ブナの森’に着く。現在の樹海は、宝永(1707年)の大噴火により、それまで植生していた樹木が焼き払われ、その後常緑樹を中心とした樹海となったそうだ。しかし、ここ大室山は、小高い所にあったことから溶岩流が襲うことなく、昔の富士山麓の姿―落葉樹の森―を残し、ブナの大木とミズナラの大木がある。特にミズナラは大きく、人が半分隠れるほどの大きな板根が張り出している。
ミズナラの大木で、国内でも2位くらいの大きさだろうという。
こうして、バスハイクが終わった。
by kawasaki-ac
| 2010-11-09 06:37
| 講座風景 みどり学Ⅰ